イワシのトルネード

〜 横浜 八景島シーパラダイス 〜


遂に、今、話題沸騰の横浜・八景島シーパラダイスイワシトルネードを見に行ってきたぞ。

(石材店)「なんですか、イワシのトルネードって?」
(幹事長)「お前、知らんのか?うどラヂで話題沸騰だろうが!」
(石材店)「なんですか、うどラヂって?」


うどラヂ
とは、もちろん、讃岐うどん界では知らない人はいないFM香川の超人気番組「続・麺通団の UDON RADIO」のことだ。土曜日の18:15〜18:30に放送しているから、みんな聴こう!

(石材店)「幹事長は高松におる時しか聴けないじゃないですか」
(幹事長)「これがインターネットでも聴けるんじゃが」


うどラヂのホームページには、過去の放送が全てポッドキャストで配信されているから、いつでもインターネットで聴けるのだ。

(石材店)「それで、なんなんですか、イワシのトルネードって?」
(幹事長)「田尾団長が大好きなイワシの乱舞よ」


田尾団長とは、泣く子も笑う麺通団の団長だが、水族館でイワシが何万匹も群れをなして泳ぐのを見るのが唯一の趣味らしい。

(石材店)「変わった人ですね」
(幹事長)「だから今は四国学院大学の教授をしておる」


イワシのトルネード
というのは、単にイワシが群れをなして泳いでいるのではなく、竜巻(トルネード)のように激しく渦を巻いて泳ぎ狂っている状態を言う。
で、うどラヂによると、これまでイワシのトルネードと言えば、大阪の
海遊館が一番だったらしいのだが、今年3月に、横浜の八景島シーパラダイスという水族館に新しい巨大水槽「群れと輝きの魚たち」てのがオープンし、すごいらしいのだ。

宣伝記事を紹介すると、
新展示水槽では、国内最多5万尾のイワシをはじめ、温帯海域の外洋に生息する大小さまざまな魚類約30種6万尾が展示されている。水槽には、他の生き物を捕らえる捕食者の群れと、他の生き物から捕らえられる被捕食者の群れが共生し、他の生き物を捕らえて食べるという自然界のありのままの姿が再現されている。
高さ8mの展示水槽は1階部分および3階部分から観覧できるほか、水中エスカレーター「アクアチューブ」を使って内側から眺めることも可能。
イワシの群れによるパフォーマンス「スーパー イワシ イリュージョン」では、5万尾のイワシたちの大群泳が乱舞し、水槽内の照明に照らされてウロコがキラキラ光り、まるで巨大な生きもののように様々な形に姿を変えながら、水槽内全体をダイナミックに変幻自在に動き回る。
てなもんだ。

(石材店)「今ひとつ凄さが実感できませんが」
(幹事長)「ま、見てみないとな」
(石材店)「そんなんで、わざわざ横浜まで行ったんですか?」
(幹事長)「いやいや、東京出張の際、合間を見て行ったんじゃ」
(石材店)「合間でいけるほど東京から近いんですか?」
(幹事長)「乗り換え時間やら入れると、片道2時間近くかかったかなあ」
(石材店)「全然、合間じゃないですやんか!」
(幹事長)「私くらいの地位になれば、時間はなんぼでも作れる」


場所は、東京から京浜急行で横浜を越えて金沢八景駅まで行き、そこから少し歩いてシーサイドラインっていうマイナーな割には料金が高い無人運転電車に乗り換えて八景島駅まで行き、さらに少し歩いて到着。
八景島シーパラダイスってのは、単に水族館だけでなく、ジェットコースターなんかのアトラクションもある、
かなりでかい遊園地だった。なので全部遊べるチケットは4900円もする。僕は出張の合間の短い時間でイワシのトルネードさえ見られれば良かったので、チケット売場で「イワシのショーを見たいんですけど」と言ったんだけど、イワシのいるアクアミュージアムだけのチケットはなくて、イルカのいるドルフィンファンタジーや、ふれあいラグーンという施設の入場券もセットになった水族館3施設のセットチケットを買わされた。2700円もする。

アクアミュージアムに入ると、まずはアザラシやラッコなんかがいる水槽があり、それを過ぎると、イワシが狂喜乱舞する水槽がある。

巨大な水槽の中をイワシの群れやサメが泳ぐ

(石材店)「うわ。でかいじゃないですか」
(幹事長)「こうやって見ると、確かに、でかそうだけど、実物は期待したほどのインパクトは無かったなあ」


水槽のでかさだけで言えば、海遊館の方がすごいような気がする。
水槽にはイワシの群れと一緒にサメやエイも泳いでいるが、別にイワシは逃げ惑う訳でもなく、ゆったりと泳いでいる。もちろん、サメやエイと一定の距離は確保しているが、サメやエイがゆったり泳いでいるから、イワシだって焦る必要はない。

イワシの群れが美しい流れを描く

(石材店)「イワシの群れが流れになって、なかなか見事じゃないですか」
(幹事長)「うん。きれいと言えば、きれいだ。でも、あまりにゆったりし過ぎて、トルネードというイメージじゃないなあ」


宣伝文句では「
捕食者の群れと被捕食者の群れが共生し、他の生き物を捕らえて食べるという自然界のありのままの姿が再現されている」なんて言ってるが、サメやエイがイワシを捕食しようという素振りは感じられない。たぶん、こいつら、餌をたらふくもらって飢えてないから、敢えてイワシを追いかけて無駄なエネルギーを消費するってことはないのだろう。いくらサメが大きくて強いからといっても、狭い水槽の中ですばしっこいイワシを捕まえるのは不可能に近いような気がする
それから、
イワシの群れはそれほど密度が濃くなく、下手したら向こうが透けて見えそうな気もする。ちょっとトルネード状態からは、ほど遠い。なんとなく期待はずれ感が漂う。あとは、スーパー・イワシ・イリュージョンに期待するしかない。

イリュージョンショーまで時間があったので、水中エスカレーター
アクアチューブを上ってみる。水槽の中を通っていくため、周りをイワシが取り囲んで泳ぐのかと言えば、そうでもない。チューブの上は水面に近いため魚が泳ぐスペースが少ないため、結局は横で泳いでいるのを見るだけだ。

          

アクアチューブというエスカレーター(左)に乗ると、周りをイワシやサメが泳ぐ(右)

しかも、以前、うどラヂで田尾団長が心配していたように、このエスカレーターを上ってしまうと、なんと降りてくる手段が無いのだ。下りのエスカレーターもあれば行ったり来たりできるのだが、エスカレーターどころか、他に階段とかエレベーターも無いのだ。それが順路になっているのだ。戻るためには、4階まで上って手にスタンプを押してもらって出口から外へ出て、ぐるっと大回りして、再び1階の入り口まで戻ってこなければならない。ううむ。構造的に問題があるぞ。
ただし、1階で下から見るのと、3階で上から見るのと、どちらもそれなりに面白いので、イリュージョンショーは3階から見ることにする。

2階や3階には小さな水槽が並んでいて、クラゲやウツボやカニなど、色んな海の生物が飼われている。それなりに面白いが、どこの水族館でも見られるものだ。

で、いよいよスーパー・イワシ・イリュージョンの開始のアナウンスがある。一体、どんなんだろうか?赤や黄色の派手な照明が当たるんだろうか。それとも人間が入ってきて一緒に泳ぐんだろうか。なんて考えていたら、突然、イワシが激しく動き出した。それまでのゆったり感は消えてしまい、発狂したように渦を巻いて泳ぎ始めたのだ。一体、何が起こったのか理解できないんだけど、あまりの迫力に呆然となる。これは、すごい。すごすぎる!

突然イワシの群れがトルネードのように激しく動き出す

(石材店)「サメを仕込んでおいて、急に襲わせたとか?」
(幹事長)「いや、サメやエイは、相変わらずゆったり泳いでるのよ」


イワシの群れは、サメやエイも弾き飛ばしそうな勢いなんだけど、さすがに巧みに避けていた。イワシの密度は異常なまでに高まり、ほとんど隙間が無いような状態。さっきまでより数が増えたとしか思えない充実ぶり。

サメを避けながら渦を作るイワシ

エイの周りも避けながらイワシが群れる

(石材店)「一体、どういう仕掛けなんですか?」
(幹事長)「最後になって、ようやく分かった」


ようく見ていると、水槽の中に餌の塊が放り込まれているのが分かった。釣りで使う撒き餌のようなものだ。野球のボールくらいの大きさの餌の塊が漂っていて、イワシが群れになって飛びかかっていくのだ。誰が考えたのか知らないけど、よくできている。ほんと、これはすごい。それまでの物足りなさが一気に解消された。

餌をめがけて狂ったようにトルネードを作るイワシ

それから、目を凝らして見ていると、小さなイワシの切り身も漂っている。最初は、サメかエイに噛み砕かれたのかとも思ったけど、切り口がスパッときれいなので、明らかにナイフで切ったイワシの切り身だ。それをエイがのんびりと食べているのだ。こうやってサメやエイはのんびりと餌のイワシを食べる事ができるから、イワシの群れを襲うこともなく、ゆったりと泳ぎ続けているのだろう。

ショーは、5分か10分くらいで終わり、まだ少し時間があったため、せっかくなので、アシカやトドのショーも見たけど、あんまり代わり映えするものではなかった。やはり見るべきものはイワシのショーだ。これだけは一目見る価値があり、みんなに勧めたい。だけど、それだけで2700円プラス交通費は、少し高い気もするよなあ。

(石材店)「自分は出張で行ってますやんか!」

(2009.6.10)



〜おしまい〜





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