大江戸温泉物語


行って来ました、大江戸温泉物語。 って言っても、全国的には別に有名でもない東京地区の施設であり、僕だってつい最近まで知らなかった施設ですが、東京のお台場に去年の3月にオープンした温泉というか、スーパー銭湯というか、健康ランドみたいな施設です。ここへ先日、ペンギンズのエースランナー佐竹石材店くんペンギンズ東京支部長の増田選手と3人で行ってきたのです。

行ったのは金曜日の夕方。7時前くらいだったか。どういう人が利用するのか分からないので、金曜日の夜が混んでるのか空いてるのかも分からない。
ホームページを見ると、ゴールデンウィーク中は3万人以上もの客が押し寄せたため、「日頃の疲れを癒すためお越しいただいた皆様には大変な混雑の中、ご迷惑をお掛けいたしました」なんていう笑い話のようなお詫びが載っていた。疲れに行っただけですな。
ちょっと前に東京の人に聞いたら、ゴールデンウィークに限らず、「週末に家族で行ったら死ぬほど混んでいた。飲食はもとより、受付から洗い場まで、あらゆる局面で行列が出来ており、疲れ切った。制限時間が4時間なのに、時間が無くなってしまった。車を出す時も死ぬほど混んでいた」との事なので、週末が混んでいるのは確からしい。
時間制限については、かなりクレームがあったらしく、7月まで土日祝日の4時間制限が解除されている。
しかし、じゃあ平日はどうなのか、と言えば、全く予想がつかない。
(増田)「金曜日の夜は、翌日は仕事も無いし、職場から大勢が繰り出してきて、かなり混んでるんじゃないですか」
(幹事長)「そうやろか。金曜日はさっさと家に帰るんとちゃうか?案外、空いてるで」

と分からないまま探検することになった。

新橋からゆりかもめに乗ってテレコムセンター駅で降りれば目の前にある。お台場と言えばフジテレビやらヴィーナスフォートやら新しい施設が乱立する最先端地区だけど、そななとこに健康ランドがあるのも不思議。すぐ横にはテレコムセンターのピカピカのビルが立ってるし。
中に一歩はいると、妙に静か。広々とした入り口が閑散としている。
(幹事長)「やっぱり、結構、空いているみたい」
入ると、いきなり袴姿のおねいちゃんやお兄さんが出迎え、案内してくれる。靴を下足箱に入れて鍵を取り、帳場で入場手続きをする。入場料金は大人2827円だが、夕方6時以降に入るとナイター料金ってことで1987円になる。お金を払うと首から下げる手形とちゃちな巾着袋(持ち帰り用)をくれる。館内での有料施設や食事、買い物の殆どは手形でツケにして、帰るときの清算となる。手形には更衣室のロッカーの鍵もついている。

広々とした受付

次は浴衣コーナーだ。館内は全員、浴衣着用なのだ。見本コーナーに18種類の浴衣が飾ってあり、その中から気に入ったのを選ぶ。浮世絵などをモチーフにした楽しそうな柄がいっぱいあって、どれにするか迷ってしまう。なんとか1つ選ぶと、係りの人が小判をくれるので、それを持って越後屋へ行くと浴衣をくれる。越後屋と言えば、悪代官と組んだ悪徳商人っぽいが、受付のおやじは優しそうな人だった。後で聞くと、越後屋って江戸一番の呉服店で、三越デパートの前身らしい。普通の温泉や健康ランドだと、浴衣があっても、お決まりの地味な柄物だけで、あんまり嬉しくないが、ここは浴衣を選ぶだけでウキウキしてしまう。いいアイデアですね。

楽しくて迷ってしまう浴衣

もらった浴衣は更衣ロッカーで着替える。更衣室はかなり広く、ロッカーがいっぱいある。満員になると、かなりすごい人数だろう。ロッカー自体はそんなに大きくはなく、小振りな鞄の僕はスーツも楽に入ったが、中くらいの旅行鞄を持った佐竹君は入れにくそうだった。

浴衣を着ると、すっかり気楽な雰囲気となり、広小路へ行く。ここは江戸の街を再現した中心的なスペースで、周りには寿司屋、そば屋、甘味処、みやげ物屋などが軒を連ねている。しかし、ここも空いている。入り口の辺りは、まだこんなもんかなあ、なんて思っていたけど、さすがにこういうエリアまで空いていると、嬉しいより寂しい。大混雑は避けたいけど、最小限の賑わいは必要だ。
(幹事長)「取りあえずビールを一口飲んでから温泉にしよう!」
との業務命令のもと、居酒屋で生ビールを飲む。料金的には、特に安くはないが、東京だし、ま、こんなものか、っていう程度。立ち食い寿司など江戸情緒たっぷりのお店もあるが、立ち食いの割には必ずしも安くはないし、仕事でくたびれた後は座りたい。

中心エリアの広小路

ビールを飲んだ後は温泉に、と思ったが、足風呂なんてのがあったので見物に行く。ここは屋外になっており、日没後はライトアップされ、なかなか良いムードだ。
(増田)「って、おっさん3人組じゃムードもクソも無いですよ」
(佐竹)「て言うか、周りはアベックばっかりで、確実に嫌がられてますよ」

確かに、僕らが近づくとコソコソ逃げていくカップルもいる。
(幹事長)「ええい、コソコソするなっ!この不倫カップルめがっ!」
温泉自体は男女別浴で、水着を着ての混浴ってのが無いため、カップルでいちゃつくには薄暗くなった屋外の足湯が最適とも言えよう。結構、広いうえ、造りも悪くない。浴衣の裾を上げて足を湯に浸けていると疲れがとれるような気分だ。女性グループも多く、普段はなかなか見ることのできないOL浴衣姿をたっぷり拝めることができる。
(佐竹)「やっぱり視線が危険です!」

周辺の夜景が見える足風呂

ここには別料金の砂風呂岩盤風呂ってのもある。
(幹事長)「砂風呂は分かるとして、岩盤風呂ってなあに?」
(増田)「背中が痛そうですねえ」

料金は結構、高く、砂風呂がたった15分で1575円もするし、岩盤風呂も25分で1050円する。
(佐竹)「岩盤風呂の方が安いうえ長く楽しめますね」
(増田)「痛そうだから長く楽しみたくないけど」

痛そうな岩盤風呂も砂風呂も結構な人気で、ずっと予約で埋まっており、かなり待たなければならないらしい。

痛そうな岩盤風呂

あんまり長湯すると怪しまれるので、足湯は早々に引き揚げ、ようやくメインのお風呂に行く。カウンターでタオルとバスタオルをくれる。ロッカーはコイン返却式で無料と言えば無料なんだけど、取りあえず100円玉が必要だ。
(幹事長)「受付では、「館内は一切、現金は不要です」なんて言ってたのに、お金が要るやんかあ!」
って叫んでいると、カウンターのおじさんが100円玉を貸してくれる。なにも個人的に貸してくれた訳ではなく、同じような客が多いらしく、これも帰りに清算すればいい。それやったら最初に受付で言ってくれたらええのに。
お風呂自体は、そんなに広いわけではなかった。広さで言えば、塩江新温泉ホテルの今は無きジャングル風呂の方が広かった。風呂の種類も、そんなに充実している訳でもない。ううむ。それじゃあ、一体、ここって、どういう施設なんだ。施設全体はとんでもなく大きいし、飲食店やらも充実しているし、収容人数もすごそうだけど、みんなが一斉にお風呂に来ると直立不動でも溢れてしまうぞ。お風呂がそんなに充実していない大江戸温泉物語って、一体。
しかも、「滝」と称するものからは、水がチョロチョロ流れ落ちているだけで、ううむ、ちょっと誇大表示。
とは言え、我が家の近所のポカポカ温泉よりは、はるかに充実している。
(佐竹)「あそこは、ただの銭湯でしょうが」
一応、地下1400mから出ている天然温泉とのことだが、なんとなく顔が塩辛い気がする。気になってお湯を舐めてみると大変からい。
(幹事長)「あれえ、このお湯、塩辛いよ。海水かなあ」
(増田)「うわ、ほんま。ここって海のそば、って言うか、埋め立て地だから、温泉掘っても出てくるのは海水なんでしょう」

説明を読むと、地下からくみ上げたナトリウム−塩化物強塩温泉とのことで、要は海水湯なんだろうなあ。お湯の色は、かすかに茶褐色です。効用があるのかどうかは不明。
見た目は同じような浴槽がいくつか並んでいて、ちょっと熱めのお湯とか、ちょっとぬるめのお湯とか、微妙な違いがありました。外には小さいながら露天風呂もありましたが、周囲は囲まれており、東京の夜景が見れるわけでもなく、なぜかやたら中国人団体が中国語で騒いでいたので早々に引き揚げました。
サウナもあり、ちょっと入ったけど、強烈に熱かったので、ここも早々に引き揚げました。サウナの外には水風呂があるけど、心臓麻痺になると困るので入らない。
それから僕が好きな寝湯も3〜4つありました。泡が吹き出してくるので前身の凝りがほぐれます。でも、混雑している時なんて、何時間も待たないと入れないでしょうね。
洗い場の数も、その辺にあるスーパー銭湯と同じくらいしかないので、これまた混雑時は大変な長期戦になるでしょうねえ。一応、シャンプー、ボディーソープ、髭剃り、歯ブラシなどは揃っています。

一通り入ると熱くなってきたので、外に出る。カウンターでタオルを返して出ると、増田君は首からバスタオルを掛けたままだし、佐竹君に至っては手提げ袋にタオルを入れている。
(幹事長)「何しよん?なんで返さんの?」
(増田)「また後で入るかと思って」
(佐竹)「2回目からはタオルが有料になるんですよ」
(幹事長)「ひえ〜、知らなかった。それって、せこいんとちゃうかっ!ゴルフ場なんてトイレに入るたびにタオル使い放題やぞ。
       佐竹君の手提げ袋はなに?」
(佐竹)「これはタオルを持ち運びするために備えてあるんですよ」

そういうシステムとは知らなかった。
(幹事長)「もう1回はいる時は、お金がかかっても新しいタオルの方が気持ちいいわい」
などと強がってみせた私だが、その後、増田くんにバスタオルを借りて再び入浴した事は極秘事項だ。

そんなに広くはない浴室

お風呂の後は、「今度は本格的に飲みに行こう」となり、広小路に出ると、こりゃびっくり!ものすごい人出になっている。
(幹事長)「こらまた、一体、どうなっとんの?」
(増田)「やっぱり金曜日の夜は1週間の仕事疲れを癒すために大挙して来るんですよ。僕らが来た時は早すぎたので空いてたけど」

いやあ、びっくりですな。会社が終わって職場で大挙して温泉に来るなんて風習が発生しているとは知りませんでした。でも、確かに、ヘタに飲みに繰り出して2次会まで行くくらいなら、ここで温泉に入った後で飲む方が楽しいだろうな。おっさんだけじゃつまんないかもしれないけど、女性が多いのにびっくり。僕らだって、先日、ペンギンズの打ち上げをしたけど、会社の近くにこういう施設があったら、女子部員共々繰り出すだろうなあ。それに女性だけのグループも非常に多い。とっても華やかな雰囲気。
(佐竹)「華やかなんはええですけど、居酒屋が満席ですぜ、だんな」
あら、困った。ほんとだ。お気軽な居酒屋はいっぱいだ。うどん、そば、ラーメンの屋台が3つ並んでいるが、さすがに気合いを入れて飲む場所ではない。当然、甘味処も駄目。中村座という大広間でも飲食ができそうだったので覗いていると、係りの人に「今日は貸し切りになってます」って言われた。看板を見ると「猛虎会」って書いてある。
(佐竹)「なんじゃ?猛虎会って。タイガースファンなら僕らも入れますよ」
(幹事長)「ほんまやほんまや。紛れ込んでも分からへんで」

ものすごい人数の猛虎会であった。
2階へ行くと、郷土料理の店もある。
(佐竹)「郷土料理って、どこの郷土料理やろ」
(幹事長)「なにやら日本全国の郷土料理を集めたようなメニューやなあ」
(増田)「それって、単なる日本料理じゃないですか」

店内はなぜか閑散としており、入るのはためらわれた。後で聞くと、ここは屋外のテラス席もあるらしく、夜景が楽しめるそうだ。
結局、ちょっと高そうな店に入る。ここは適度な客の入りだった。メニューは普通のものだったが、料理は悪くはない。温泉に入った後、心おきなくくつろいで飲み食いするには良い場所だ。
ところーが!なんと、びっくり。閉店時間が10時だ。早い。早すぎる。一風呂浴びてから来ると、あっという間に閉店時間になっちゃう。10時を過ぎても開いているのは居酒屋だけだ。さすがに10時を過ぎたら客も少なくなっていたので、中に入り、デザート代わりにうどんを食べながら飲み直す。

飲んだ後は、2階の休憩室へ行く。朝まで仮眠しようと思えば可能な場所だ。毛布とテレビが付いたリクライニングチェアで、なんとかほぼフラットになる。でも、当然ながら、ベッドじゃないので寝るには少し狭く、床に転がって寝ている人もいる。座席数は100台ぐらいなので、これまた混雑時には奪い合いになるかも。おばちゃんも寝ているが、さすがに若いおねいちゃんはいませんでした。やっぱり。
隣には有料レストルームもあるけど、2時間1000円もとられるし、見たところでは、何も無く、単に混雑していないってだけなので、よっぽど寝るスペースが無い時しか使わないだろうな。

なお、午後2時以降も滞在する場合は、割増料金として1575円取られる。ただし、朝9時になると総入れ替えのため全員退去させられる。6時以降に入って朝までいれば3500円くらいだ。カプセルホテルと同じようなものではあるが、温泉や飲食店がある分は楽しいし、寝るスペースから言えばカプセルホテルの方がマシだ。ま、使い方次第ですね。

寝ようと思えば寝られる休憩室

それから、おまけとして、お犬様専用温泉として綱吉の湯なんていう別館があった。
愛犬専用岩風呂檜風呂ドライヤールームのほか、スイミングセラピー、トリミング、泥パック、アロママッサージ、メディカルケア等のサービスもあるらしい。ううむ、一体、犬にスイミングさせたり泥パックさせたりマッサージさせて嬉しいんかなあ。まあ、飼い主は嬉しいやろけど、お犬さまは嬉しくも何ともなく迷惑なだけとちゃうか?一応、「温泉はもちろん、ドッグランやアロママッサージを利用して、愛犬のストレスを一気に解消!」なんて書いてある。東京に住んでいると犬もストレスが溜まるんかなあ。
さらに、犬用の浴衣や和小物など、訳の分からないオリジナルグッズも豊富にあるとのことだ。それにしても、どのメニューも何千円もするってのは、私には理解できませんなあ。綱吉の時代に負けないくらい末期的ですよ、こりゃ。北朝鮮が攻めてきても文句は言えないかも。

お犬さま専用のお風呂

てな訳で、大江戸温泉物語を一通り満喫してきました。人に聞く限り、週末に行くと、とてつもなく混んでいるらしいので行くのなら平日ですね。平日でも閑散として寂しいって事はないのが分かりましたし。平日のナイターで行けば、そんなに高くもないし。みなさん、東京へ行った際には、一度、試しに行ってみましょう。

(2004.5.29)



〜おしまい〜





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